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その時は軽いショックだけで済んだのですが、転職を繰り返していた30代の頃に、ある職業相談センターに行き、仕事の適性を見るテストを受けました。
相談員は私に言いました。
「貴方の適性能力では、単純作業しか無理だ」
その時は随分失礼な言い方だと思いましたが、現実でした。
実際私は、30代の後半までは単純作業しかできませんでした。
今のように頭を使う仕事ができず、運良く入社しても数日で離職することを繰り返していました。
職業相談センターの相談員の言葉を受け、「自分は他人よりも知能・能力」が劣っていると自覚しました。
その当時は発達障害という言葉はなく、知能・能力が劣っているという言葉しか浮かびませんでした。
発達障害者の定義は以下を参考にしてください。
発達障害は、広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達に関係する障害です。発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手ですが、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。発達障害の人たちが個々の能力を伸ばし、社会の中で自立していくためには、子供のうちからの「気づき」と「適切なサポート」、そして、発達障害に対する私たち一人一人の理解が必要です。
https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/
一生単純作業しかできないのかと随分悩みましたが、フリーランスになってからは、知的労働ができるようになりました。
なぜ働く環境を変えただけで知的労働ができるようになったのか?これに対する科学的な根拠はありませんが、自分なりに分析しました。
フリーランスになってから知的労働ができるようになったのは、自分のスタイルで仕事ができるようになったのが大きな要因だと思っています。
この特性は仕事だけに当てはまるのではありません。
自分は基本的な英語と中国語ができますが、完全な独学です。最初の頃は学校に通ったりプライベートレッスンを受けたりしていましたが、その頃は目立った上達はありませんでした。
しかし独学に切り替えてからは、メキメキと上達するようになりました。
発達障害の人は人とのコミュニケーションや対人関係の構築が苦手な人が多いですが、自分が会社で知的労働ができなかったのは、これらの要因が大きかった。
会社では上司の命令を聞くか、ミーティングで仕事の進め方を議論することが多いです。
しかし発達障害の人は上司の命令はともかく、ミーティングの場で自分の意見を言うのが大変苦手な人が多いです。(自分の知る限りの話です。中には大勢の前でも臆せずに意見をいう発達障害の人もいるかもしれません。)
フリーランスになってからは完全に自分のスタイルで仕事ができるようになったので、知的労働もできるようになりました。
ニトリの社長も発達障害らしいので、発達障害の人が選ぶ道は、フリーランスだけではないかもしれません。
自分がもし起業をしていたら人を使う立場になりますが、ド天然の自分は朝礼で頓珍漢なことを言っていたのではないかと思います。
20代の頃はスーパーで働き発注作業もしていましたが、発注は電話かFAXでしていました。
自分は飲料担当だったので当時よく売れていたサンガリアの飲料水をよく注文していましたが、ド天然の自分は「サンガリア」ではなく、サが濁音になった「ザンガリア」と言っていました。FAXにも「ザンガリア」と書いていました。
問屋さんはそれでも理解してくれていましたが、1年後にあるバイトの男の子が自分の間違いを正してくれました。
そしてその子は突然歌い出しました。
「いち にい ザンガリア」と。
その場にいたもう一人のアルバイトの子も面白がり、一緒に「いち にい ザンガリア」と歌い出しました。
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